自然科学とコンピュータ
2010年11月06日(土) 記 : アドバイザー

 自然科学分野の基礎教科には、物理、化学、数学のほか、生物と地学と天文があります。最近、地学を教える高校は少数かもしれません。天文を独立に教える高校の例を知りません。両方共に稀なのかもしれません。

 学問分野を自然科学、人文科学、社会科学に分類すれば、多くの学問分野研究者は数学を自然科学に分類します。しかし、数学は自然科学ではないと、反対する人もいます。何故でしょう。私は、数学が非常に重要だからだと考えています。医学部、薬学部、工学部、農学部、理学部、理工学部、心理系学部、教育系学部などあらゆる学部の勉強や研究に広く必須です。もちろん地学や物理学や化学の研究にも必須です。科学に対するセンスを磨くため、理系志望者にとって数学の勉強は最優先です。

 しかし、最近、数学は学生に不人気かもしれません。数学を情報と合体した大学も増えました。今、人気は化学生物系です。生物学は生物や生命現象を研究します。多くの大学で医学や農学など応用科学や総合科学も含んでいます。生物化学の中で特に人気の分野が遺伝子や生命に関わる研究分野のように思えます。志望者も多く、文系理系に関わらず応用の学科がたくさん新設されているからです。生物化学分野の仕事や会社が世 のニーズと言えます。文系や理系の他学科を志望する高校生にとって、生物の勉強も数学や物理や化学と同じように非常に重要です。

 人類の文化文明の歴史は宇宙の歴史の137億年と比べ、たった数千年です。3000万分の1以下です。生物の歴史30億年と比較しても、文化文明の歴史はやはりおよそ1000万分の1。一方、生物の進化の歴史は私たちの遺伝子情報、即ちDNA情報の中に秘められています。DNA情報こそ、究極の個人情報です。DNA情報を解析すれば、新しい薬や治療法を開発でき、個人を簡単に識別できます。DNA情報の解析や研究に超大型コンピュータが役立ちます。DNA情報はたんぱく質の形で記憶されているため、たんぱく質の分解や合成の研究を、実験とコンピュータシミュレーションでしています。医学や薬学や化学の応用分野の成果は研究者の情報処理能力と数学の力で成果が決まる時代になりました。

 薬や治療法だけでなく、新しいビジネスの開発にもDNAや生物進化の勉強が将来必ず役立ちます。遺伝子情報、即ちDNA情報の中に、人の知恵の100億倍の知恵が詰まった進化の歴史の知恵が秘められていると私には思えます。進化の歴史の勉強は、会社や自分を磨く知恵さえ学べます。実際、その勉強は私の管理業務に役立ちました。文系を志望している人も生物進化の歴史を勉強しましょう。そして情報システムも勉強しましょう。会社を進化発展させるアイデアを発想でき、優秀なサラリーマンと認められます。物理化学生物と数学とコンピュータの勉強は楽しい会社人生を送る手助けをしてくれるでしょう。